ド素人でも「第二種電気工事士試験」の筆記試験に通る戦略。肝は過去問!
2021年7月4日。郵便受けに技能試験の受験票が投函されていました。筆記試験は合格! と書かれていました。無事、筆記突破。技能試験の準備と勉強は引き続きますが、一旦ここいらでド素人が筆記試験を突破するための試験戦略をまとめて残しておこうと思います。
ポイントは目次にまとめましたので、目次だけでも見ていってください。
- はじめに(どういう人物の記事か)
- 過去問を覚えること。(同じ問題も出ます)
- テキストは読み込まないこと。
- 過去問は解説付きの書籍を買うべし
- コスパの悪い範囲があること。捨てても問題ないこと。
- 試験内容を知り、計画をすること
- 最後に
はじめに(どういう人物の記事か)
さて、私はド素人のDIYerです。「家のコンセントの工事をする」ことだけが目的で資格試験に望みました。仕事は電工とは無関係だし予備知識はほぼゼロ(理論分野の知識はちょっとあるけど後述)です。
そういう人物が第二種電気工事士の筆記試験を実際に突破できた方法です。この記事はエキスパートのアドバイスではありません。
ただ、仕事柄か、電気工事士以外の資格試験は何度か受けています。資格試験には比較的慣れている方かと思います。試験のコツは心得があり、それは電気工事士の筆記試験でも大いに有効でした。そういうノウハウも含めています。(他の資格試験の経験がある方には常識的なことかも知れませんが。)
以下、第二種電気工事士に合格するための、「やってよかった」「こうすりゃよかった」をまとめました。
過去問を覚えること。(同じ問題も出ます)
最初に結論。過去問を覚えること。コレに尽きます。
おそらく1、直近過去5回分の過去問を理解して覚えたら筆記試験は突破できます。3回分でもいけるかも知れない。1回分だけでも、と、、、少なくなるほど運ゲーにはなりますが、それでも、それくらい過去問は重要で肝要。
出題されるのはほぼ類題です。全く同じ問題も出ます。
なぜ過去問をやるべきか。出題されるのはほぼ類題だからです。なんなら全く同じ問題も出ます。
類題とはほとんど同じ問題を指します。なので、理解して覚えることが重要です。ちょっと変わっただけなら答えが分かります。
- なぜその答えが正しいのか「理由」を理解をすること
- その「理由」を記憶すること
過去問に対してこの2点ができれば筆記試験は突破できます。今後の出題傾向が激変しない限りはそうであると断言してよいでしょう。
実際の問題を例にします。
答えは「ハ」です。
ちなみに、「接地抵抗計」はこういうもので、地面に刺して使います。
話はソレますが、この記事を書いているパソコン。先日「いいPC」を購入してそれで書いています。「いいPC」。「EPC」。「E-P-C」! と、私は覚えました。
他の年の過去問です。
答えはもちろん「E-P-C」の「ロ」です。先程の問題が解ければこちらも解けるでしょう。
初めての人は、『そもそも「直読式接地抵抗計」ってなんやねん』とか、『「いいPC」とかドヤ顔で言われましても』とか、思われるかも知れません。「EPC」は覚えたから解けたけれども『過去問だけじゃ何も分からんよ』って。ゴモットモ! これらを知らないと覚える事が辛くなるのでもちろんテキストも使います。(テキストについては後述します。)
理解のためにテキストは必要ではありますが、出題されるのはほぼ類題なので、覚えるのは過去問を通じて行う方がコスパがいい! ということが伝えたいです。
実力確認のために取っておかない
よく、過去問はテキストを読み込んだ後の実力確認に使おうとする人がいます。大事に最後に取っておく人です。実力確認に取っておくのはオススメできません。
ダメとは言いませんが、非常にコスパの悪い「いばらの道」になります。先に過去問をやるのは少ない努力で高い成果を得られる方法だからこの方法をオススメしています。
テキストは読み込まないこと。
過去問を中心にするにせよ、初見の人にはチンプンカンプンであるはずです。『そもそも「1種金属線ぴ」ってナニモノ?』というような疑問を解消したいです。
ですので、普通は教科書にあたるテキストを購入します。本屋で買います。もちろんAmazonでもOK。
私が買って利用した書籍は以下です。オススメできます。実際合格してますしね。
買ったらどうやって使うのか。注意点をいくつかあげつつ、私がベストと思う方法を紹介します。
テキストは真面目に読まない
やってはいけない(と思う)方法は、以下です。
- ✕ : テキストを全文読み込む。それから過去問に挑戦。
なんでダメかというと、
- 試験に出にくい部分も読むことになるから
- 読むのが大変なので最後まで辿り着く前に心が折れがちだから
です。
覚えるべきことは過去問で絞る
オススメの方法は以下です。
- ○ : 最初はさらっと流し見する。
1ページか2ページを流し見したらすぐ対応する過去問をやります。で、過去問を中心にして覚えます。根拠はテキストにあるので理解するために読み返します。以降、過去問を繰り返します。
ということで、
- 過去問を利用して試験に出るところを押さえつつ
- 過去問をやり終えることを目標にして進める
と、コスパ最強だと思います。出題されないところは触れなくてもヨシ、という訳です。
先程、「接地抵抗計」の過去問を掲載しました。「接地抵抗計」の「P」は「電圧用」の接地極でした。では、『Pは何用の接地極か?』という問題は出題されているでしょうか。私の知る限りされていません。
何が言いたいのかというと、テキストを暗記して問題に挑戦するというアプローチはやめるべきでしょう。
覚え方にはコツがある
覚え方にはコツがあります。
マッスルにひたすらノートに写経する人もいるかも知れません。覚え方は人それぞれ好き好きでしょう。
が、他にも方法はあります。知らないより知っいた方がお得です。ということで、別記事にまとめることを予定してます。別の記事を書きました。(2021/7/12 追記)
どんな方法でも共通するのは、繰り返すことが重要です。最寄りの駅の路線のように、何度も見ていれば覚えるものです。一度に覚えようとせず、回数で覚えます。
過去問は解説付きの書籍を買うべし
次に、やるべきである過去問の手に入れ方についてです。
- どこで手に入れるの?
- どこまでやるの?
- 過去何回分やるの?
という話もします。
公式で提供されている。が、解説はない
過去問は「電気技術者試験センター」の公式サイトに掲載されています。
https://www.shiken.or.jp/answer/index_list.php?exam_type=50
「資格の学校TAC」にも同じものがあります。(内容は同じですが、こちらのほうがサイトのレイアウトが見やすく探しやすい。)
https://www.tac-school.co.jp/kouza_denkikoujisi/denkikoujisi_kakomon.html
どちらも解説はありません。繰り返して覚える学習をするにあたっては不向きです。効率的な学習のため、解説はぜひとも欲しいところです。
解説付きの書籍を買った方が楽
さて、先に紹介したこちらのテキストについて。実は、最後の章が過去問180問になっています。
この書籍で、「テキスト部分と過去問部分を行き来して進める」と良いでしょう。(というか、この本はそのように設計されています。)
私自身はこの180問で合格点を余裕を持って超えるレベルになりました。いや、だから、正直、もうこの本1冊で十分でしょう。2
180問というと、過去3.6回分になります。まずはこれを身につけましょう。各分野からまんべんなくいい感じで必要十分な問題が抽出されてまとまっています。
これが終わった時点で直近の過去問をやってみましょう。公式サイトに掲載されている1回分の過去問です。
合格レベルに達していなかったり、不安に思う点数であったならば、別途過去問集を買っても良いでしょう。上記テキストに完全対応した過去問集が以下です。
この過去問集をすべてやってしまうと落ちる心配がほぼなくなるレベルになります。
ただ、それだけの勉強時間が確保できるのかって問題あります。この書籍には590問も掲載されています。私は、全部はやりすぎだと思っています。3
それよりも、苦手分野だけ手を付けて補強するために使うのが効率良いかも知れません。例えば、「器具の記号問題だけ追加でやる」といった程度に留めるのが良さそうです。
これらの書籍の具体的な進め方はもう少し詳しく話したいことがあります。が、それは長くなりそうなので、別途まとめてみたいと思います。
T.B.D. (記事検討中。)
コスパの悪い範囲があること。捨てても問題ないこと。
先に紹介した書籍にも書かれていますが、捨てて良い分野もあります。それが「配電理論」の分野、いわゆる計算問題です。
毎年の計算問題の出題数から考えても、捨ててしまっても合格点には十分達することができます。いろいろな書籍でもハッキリと捨てても良いと書かれています。
ですが、捨てる分野があると、他の分野をより一層頑張る必要が出てきます。当然ですね。ですので、計算問題の分野でも自分のできそうな部分まで取り組むことをオススメします。
これは、数学が苦手だったとか、文系だったとか、人それぞれすぎるので、一概にどうとは言えないところではあります。
個人的な意見ですが、オームの法則までは手を出しても良いかな? と思っています。オームの法則の過去問が、テキストと過去問の解説を読んで理解できたなら、取り組むことをオススメします。毎年数問出題されますので、稼げます。
オームの法則以降は、力率やら交流理論やらになります。 sinθ や cosθ が出てくると多くの人には厳しくなるんじゃないかなと想像します。(高校の理科系の知識が必要になります。)加えて、できるようになるための学習量が多すぎてコスパは良くないです。他分野を頑張るほうが楽になるんじゃなかろうか、という考えです。
試験内容を知り、計画をすること
ここまで読んでいただけたのなら、やることがなんとなく見えてきたのではないでしょうか。
- 過去問を買う
- テキストを買う
- やるべき過去問の抽出(紹介したテキストではすでに抽出済みです)
- 捨てる分野の選択
これが揃ったら(先に紹介した書籍1冊買うだけで上3つは揃う)、学習計画を作成しましょう。
- 試験日までに、
- 過去問を何周するか。
- そのためには1日何問くらいこなす必要があるか計算する。
- なるべく余裕を持たせるスケジュールにする。
- なので、例えば土日などの休みの日を設け、
- 試験日よりも前に余裕を持って完了するようにする。
- 余った日には過去問の繰り返しに当てる。
みたいなのを考えて、自分なりにスケジュールを書き出して、計画通り進めましょう。
と言いつつ、私は計画通りに進められるような人間でもないですが、、、それでも計画を立てるのは大事です。
進行状況に合わせて微修正をしつつ進めると良いと思います。
最後に
まとめ
ということで、かなり簡素にまとめると、
- 過去問をやり込むこと。
- そのための計画をちゃんと立てること。
以上2点です。
これで筆記合格にはたどり着けると思います。
私の体験談
以下、自分語りです。新たなお役に立てるお話はないので飛ばしていただいてもOKです。
・・・
私自身の結果ですが、2021年5月の午前試験にて、100点中96点でした。60点が合格ラインと言われる試験にて、合格ラインをかなり通り越して、、、やりすぎましたね。
言い訳(?)をしますと、、、
私はたまたま理学部物理学科卒な人だったので、通常捨てる人が多いであろう理論問題が解けました。サイン・コサイン・どんと来い!(じゃなきゃ入学できん。。。)たまたまそういうアドバンテージがありました。
計算問題は7問出題されてました。仮にそれらを捨てていたとしたら82点です。合格点に余裕で到達していますので計算問題は捨てても問題ないなという感想を持ちました。
それから、私は先に紹介した過去問集を全部やりました。
勉強中には脳内に変なドーパミンが出て勢いづいてしまい、目標が「60点超えの合格!」ではなく「100点奪取!」に変わってしまったんです。アホです。なのでそこまで必要のない過去問集を全問記憶してしまいました。もちろん100点取っても何も出ませんし、自慢する相手もいません。そもそも100点取れてません。なぜ取り組んだ。人生の壮大なる無駄な消耗であったと言えるでしょう。間違いない。
んで、過去問集をやって実感しました。全問やるのは無駄が多い。。。
多分、この過去問集をやらなかったとしても点数はほぼ変わらなかったろうと思います。(180問を終えた時点でとある年の過去問をやった点数と、この過去問集まで終えた後の点数の差は、ほとんどありませんでした。やった意味あったんか不明です。コスパ悪し。)ですので、本文中に書きました通り、苦手な部分を補強する使い方が、やってみた結果としてベストであったと思っています。
96点は2問間違えています。その間違えた2問は、過去に出題されていない形式の問題でした。なので、過去問を中心に据える勉強法を更に続けていたところで100点には到達できなかったでしょう。
この2問を正解するためには、過去問にとらわれずにテキストを読む等々の学習が必要でした。逆に言うと、過去問以外の知識が問われて落とす点数はたった4点しかないので、そのための努力は無駄が多いと言えるでしょう。
私の考えた方法の根拠
近年の問題をやっていると、難化傾向にあるように感じます。ですが、計算問題と難しい問題を落としていたとしても、合格点には十分に達していたなぁ、というのが取り組んでみた結果であり、感想です。だから、過去問だけをやっておくのがオススメだと考えたわけです。
- 計算問題は「14点」
- 過去問にない問題は「4点」
- 残りの「82点」は過去問の類題
過去問の類題だけで82点取れるのですから、「テキストにある過去問が完璧になるよう繰り返す」というのがベストであるという考えたわけです。
合格に必要なのは60点。これを確実に超える力が必要です。
忙しい皆様がコスパよく合格点に達するためには無駄の少ない方法を紹介したいと思い、この記事を書きました。
もちろん、とある一人の人間の実際例ですので、必ず上手くいくものではありません。
ですが、私が体験した良かったこと悪かったことは、これから試験勉強に取り組む方にを有効活用していただける点もあろうと思います。
そうは言ってもですね、忙しいと過去問をやり込むだけでもかなり大変です。なので最長の労力でコスパよく合格に向かうようにした方がいいですよ。私は過去問最短最強説を提唱します。